精神科・心療内科に通えば通うほど、症状を訴えれば訴えるほど、薬の種類や量が増えていくことがあります。もちろん症状の緩和のために急性期には一時的にはそのようなことがあるかもしません。しかし、漫然と継続される場合もよく見受けられます。
また、特にご高齢の方の場合は慢性疾患などでいろいろな薬が処方されがちですが、個々の病状に対しては妥当であっても、相互作用や副作用により、せん妄などの精神症状が出現する場合があり、慎重に対応する必要があります。
一方で「薬は怖い」と自己判断で中止すると思わぬ反動で苦しむことになったり、長期に継続するほうがよい薬を中止すると再発につながったりすることもしばしばです。
薬を症状に合わせながら少しずつ減らすことで、むしろ病状も改善し、不安定であったものが安定していくことも多いのです。
このように当クリニックではより少ない薬での治療をめざしていきます。
また、薬を処方する際には医師からできるだけ詳しくその意図と治療の意味を説明させていただきます。
診察の中で、そのやりとりの全てに、認知・行動療法的な考え・ブリーフセラピーの理念をベースにしたアプローチを取り入れています。
病気に巻き込まれている部分と健康を保っている部分を慎重に見極め、健康な部分に働きかけます。
そしてすでにある「解決」を探し、そこに注目し、一緒に「解決を構築」していくことを心がけます。また必要に応じて自律訓練法などを併用することがあります。
病はその人の生活や人生に大きな影響を及ぼします。しかし病とつきあいながら生活していかねばならない状況が増えています。そのため、生活の中で医療をうまく活用しながら、その人らしい生活・人生を送っていただくために、当クリニックには専門の相談員(ソーシャルワーカー)がおります。
ご本人やご家族からの様々なご相談をお受けし、一緒に考えさせて頂きます。例えば次のようなことでお困りのときなど、どうぞお気軽にご相談ください。秘密は厳守します。